風のトイレづくり

コンポストトイレというものはいろいろあれど、風が通ることで分解を早める風のトイレは、まだポピュラーではない。

しかし、私たちがいつもおこなっている大地の再生という環境再生活動を知っている人ならば、風のトイレが何のことだか分かっている人が多い。

そもそも大地の再生という活動も、あらゆる土地に空気、風を通して微生物や菌糸を増やし、生き物環境を活性化することによって、心地よく安定した土地を育むものですが、トイレの中のものを分解するのも、本来は同じこと。人間の数が増えすぎて、自然分解では追いつかないということもありますが、江戸時代から人の排泄物を一旦溜めて、肥料にするようになってから、溜めることが当たり前になってしまい、土地に安全に清潔に戻す方法を研究しなくなりました。

しかし、実は極めて簡単です。直径50センチ深さ50センチくらいの穴を掘り、その穴から両側に溝を掘ります。溝からいつも空気が出入りするような形を保ち、小屋を立てます。

足元にいつも空気が通っています。穴の中にはまず初めに粒炭(炭を砕いたもの=焚き火などでできた消し炭でよい)と、山の葉っぱ(荒腐葉)を撒いておきます。あとは用を足すたびに炭と葉っぱを撒いておきます。大のほうをしたときは、葉っぱで覆っておけば虫も来ません。

炭はたまに灰に変えてもいいし、葉っぱはおが屑でもいい。ただし常に空気が通るほうがいいので、灰と細かいおが屑だけを使うと、湿気を溜め込んで空気が通りにくく、排泄物の分解も遅れます。

このトイレ、わたしの古民家ではもう4年以上使っており、最近は沢山の人が出入りして使いますが、全く匂いもなく、一度も取り出したこともありません。少し盛り上がってきたら、棒でつついて少し空気を入れて、葉っぱをたくさん入れておけば、また量が低くなってます。トイレの臭いがしないのには驚きます!

このトイレを使い出すと、下水完備のない田舎で、なぜタンクに溜めてわざわざ不衛生な状態にして、汲み取りにきてもらうのか、わからないってことになります。

ぜひこの爽やかなトイレを、現代風にアレンジし普及していきたいと思います。

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